花菖蒲 専門用語 系統編

○江戸系

群生の美しさを鑑賞してきた系統。

風雨に強く、草丈も比較的高くなる。
江戸っ子好みのすっきりとした、粋な感じの花が多い。
歴史は古く、天保の頃には広重の浮世絵にある。

○伊勢系

花弁が垂れた縮緬地の三英咲きが特徴。

「くも手」といって、
雌蕊の先端にトサカ状の切れ込みがある。
葉と花茎の高さはほぼ同じ。
伊勢系は女性的で繊細な美しさの花。

○肥後系

大輪で堂々とした風格が特徴。

室内鑑賞を目的として改良されてきた系統。
その反面、露地栽培では大輪の花が風雨に弱い。
豪華さのなかにゆるぎない品格を兼ね備えていて、
女性的な伊勢系に対して、男性的な花とも言える。

○長井系（長井古種）

各地に自生するノハナショウブの中から、
花の色や形に変化のあるものを探しだして栽培。

花形は原種のノハナショウブの面影を色濃く残し、
野趣にとんだ爽やかな容姿が見所。

○種間交配種

同じアヤメ科の、黄菖蒲または杜若との交配種。

外花被片の中央にある模様が、
丸み（専門用語で目）を帯びているのも特徴。